尊敬する上司のために起こしたハンガーストライキ

どこにでも気前がいい人っていますよね。
私が大学を卒業して就職した会社の上司にも、そんな気前のいい人がいました。
気前がいいというよりは面倒見が極めてよく、細かいことを気にしない豪快な人でした。
お金があまりない新入社員のために昼食や夕食を奢るのも常のことで、仕事柄終電がなくなる時間に終業することも日常茶飯事だった私たちにタクシー代を出してくれたりと、何かにつけて面倒を見てくれたのです。
その上司がここまで部下のためにお金を使えたのは、私達の会社の規模が小さく、社員数も少なかったことも理由の1つだったとは思いますが、上司がここまでしてくれているのだからと、その上司のために必死で働く新入社員が多かったことだと思います。
つまり、人心掌握の手段だったということです。
しかし、理由はともあれ、私達の会社は、その上司と上司のためなら身を粉にして働くことも厭わない社員たちに支えられていたのです。
実際、社長がその上司を解雇した時、そのことに憤慨した社員たちは一斉退職という手段で抗議したのです。
「俺達のことを分かってくれる上司のいない会社で働く気はない」
とでも言わんが如きでした。